VRとは
1.VRとは何か
VRとは「Virtual Reality」の略で、「人工現実感」や「仮想現実」などと訳されます。「表面的には現実ではないが、本質的には現実」という意味で、VRを通して得られる体験は限りなく実体験に近いということを示します。
2.VRの歴史
Virtual Realityという言葉が初めて登場したのは1989年です。この言葉が登場した時にイメージリーダーだったのがHMDです。その後、SONYがPlay Station VRを2016年に発売し、本格的な普及が始まりました。FacebookとGoogleの巨額投資もこの年に始まり、VRビジネスが新しい展開を迎えようとしています。
3.VRの仕組み
現在市販されているVR機器は、ヘッドセットと呼ばれるゴーグルをかけ、そこに映像を表示する技術がベースになっています。映像は右目と左目に区切られており、左右のレンズ配置もそれぞれの映像が見やすいようになっているなど、VRの世界に高い没入感を得られるように工夫されています。
4.VRのシステム設計にあたって
VRの普及は、社会において「見る」ことから「体験する」ことへのシフトをもたらします。人間は物事を体験する場合、視角以外にも多くの感覚刺激を受けます。VRシステムの最大の特徴は、多様な感覚をどうやって合成的に提示するかと言えます。
そのためには、人間の感覚にはどのような種類があり、どのような特性を持っているかを知る必要があります。VRシステムで何らかのソリューションを提供しようとする場合、それに必要な感覚刺激は何で、それにはどのようなインタフェース・デバイスが必要か、ということがシステム設計の出発点になります。
5.VRの応用分野
VRは様々な分野で活用され、現実世界では体験が困難なものなどに応用されます。
①医療分野
手術のシミュレータ等に代表される医療情報システムの高度化や、患者の情報環境を豊かにすることによって心理面からケアしようとする患者のアメニティの向上などに利用されます。
②広告
VRによって商品ディスプレイの自由度が上がったことで、ユーザーが見ている映像に全方位型の広告を流したり、商品に触れることができるようになりました。
③スポーツ
HMDを用いてスポーツを擬似体験することができます。また道具を実物と同じものを用いることで、リアリティを高めた体験が可能となります。
④遠隔作業
宇宙での作業や、海底での作業など、過酷な環境下における遠隔作業においてVRの活用が期待されています。
現在ゲーム分野で存在感を示しているVRですが、上記のように今後ゲーム分野以外での活用事例も増えていくことが想定されています。
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