多様な体形や姿勢に対応した高品質な仮想試着手法を開発

更新日:2021.10.12

ポイント

  • 高品質な仮想試着システムを開発しました。顧客が計測用の衣服を着てカメラの前に立つと、商品の衣服を着た画像がリアルタイムで生成されます。
  • ロボットマネキンを利用して体形と姿勢を変えながら大量の画像を撮影し学習することで高品質な画像の生成を実現しています。
  • 仮想試着の技術を活かして、オンラインショッピングでさまざまなサイズや種類の商品を試着してより適切な商品を選択する、ビデオ会議において仮想的に好きな衣服を着ることなどが可能となります。

オンラインショッピングが加速度的に普及し、オンライン上で仮想的に試着ができるシステムの需要が高まる中、東京大学 大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻 五十嵐 健夫 研究室では、リアルタイムで高品質な仮想試着を実現する手法を開発しました。

従来の仮想的な試着の実現手法では、多種の衣服に対して1つの深層学習モデルを構築していましたが、本手法では特定の衣服の画像の生成に対象を絞って深層学習モデルを構築することで、さまざまな体形や姿勢に対応した試着画像を生成することを可能にしました。また深層学習モデルの構築に必要な大量の訓練データを自動的に取得するために、体形や姿勢を自動制御できる訓練データ撮影専用のロボットマネキンを開発しました。この手法を用いることで、試着室で鏡を見ているような感覚で仮想的な試着ができるため、オンラインショッピングでより好みに合った商品を選択したり、ビデオ会議で身体を動かしても違和感のないように仮想的な衣服を合成表示したりすることが可能となります。