「見廻りお願い!」 ミリ波IoT搭載サービスロボットによる協働型見廻りシステムを開発
更新日:2021.6.10
ポイント
- 自律移動サービスロボットが見廻り場所を4Kカメラで撮影し、データを依頼者に運搬・伝送するシステム
- 約87m離れた先の1分間の撮影データ(約10GB)を163秒(換算値514Mbps相当)で届けることに成功
- 立入り困難でインフラ敷設が難しいエリアでの4K映像収集・配信サービスへの応用に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ソーシャルICTシステム研究室はソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(代表取締役社長 兼 CEO: 清水 照士)と共同で、60GHz帯のミリ波を用いる次世代TransferJet 通信技術(以下TransferJet X)を搭載した自律移動サービスロボットによる協働型見廻りシステムを開発しました。
4Kカメラを搭載した複数の自律移動サービスロボットに対して無線で見廻りを依頼すると、見廻り場所近くにいるロボットが移動して撮影を行い、その後、撮影データは依頼者の元までロボット自身が運搬し、再生装置にTransferJet Xで無線伝送、自動再生されます。実証実験では、86.8m離れた先の見廻り場所の撮影データ(約10GB)を依頼者の元におよそ163秒(移動時間129秒、伝送時間34秒)で届けられることが確認できました。これは、データ転送速度に換算すると、514Mbpsに相当します。
本システムは、広帯域通信インフラの新規敷設が難しいエリアや人の立入りが困難なエリアにおいて高解像度(4K)映像での情報収集・配信システムとしての活用が期待できるほか、ニューノーマル時代におけるオフィス環境等の自動見廻りや注意喚起を非接触に行うサービス等への展開が期待されます。