エレクトロニクス実装学会サーマルマネージメント研究会、2020年度公開研究会を開催

更新日:2021.2.16

エレクトロニクス実装学会サーマルマネージメント研究会では、2020年度公開研究会を開催致する。

テーマ:サーマルマネージメントのための計測技術
開催日時:2021年3月3日 14:00~16:55
開催方式:WEB公開研究会

※参加URLとPWの聴講情報は3日前までにJIEP-WEBシステムよりメールにてお知らせ致します。

プログラム

14:00~14:05  オープニング

14:05~14:45

「異方性材料及び複合材料のための熱伝導率/熱拡散率測定手法」

講師:株式会社ベテル 羽鳥 仁人 氏

<概要>

製品の小型化や電動化にともないサーマルマネージメントの重要性が増している。熱伝導材料に対する要求もますます厳しくなり、ヒートスポットを減少させるため熱伝導率の異方性を持つ材料や、熱伝導性と機械特性等の両立のため複合材料が開発され、それらの材料の熱伝導率/熱拡散率を測定する手法が必要とされるようになった。

それらのニーズに答えるため、熱拡散率の異方性と局所的な熱拡散率が測定可能な手法として、スポット周期加熱放射測温法を開発した。本手法は、非接触で試料の厚み方向と面内方向が測定できるとともに、空間分解能が従来の手法よりも高いため、分布測定も可能としている。本手法は材料開発の分野や熱伝導材料の品質管理分野などに広く用いられている。

14:50~15:30

「非冷却型赤外線カメラによる放射率未知の物体表面の温度分布測定」

講師:防衛大学校 教授 中村 元 先生

<概要>

最近低価格化が進んでいる非冷却型の赤外線カメラを用いて、放射率未知の物体表面の温度分布測定を試みた。非冷却型カメラでは筐体温度の変化に伴い輝度値が変化するため、事前に筐体温度の変化も考慮した校正関数を作成した。この校正関数を用いると、測定方法を工夫することで、赤外線カメラで測定した熱画像の輝度値分布から放射率分布と温度分布を同時に求めることが可能である。

本講演では、2通りの測定方法(「測定面を一旦等温にする方法」と「周囲環境温度を変化させる方法」)を試み、それぞれの方法で得られた放射率分布と温度分布の妥当性を検証した。

15:35~16:15

「表面実装抵抗器の新しいサーマルマネジメント手法と温度測定の注意点」

講師:KOA株式会社 平沢 浩一 氏

<概要>

表面実装部品が登場したのは半世紀近く前である。現在、表面実装抵抗器の温度管理位置は周囲空間であるが、その理由は当時の実装密度の低さと抵抗器の定格電力の低さ故である。

昨今、プリント配線板の放熱性の向上と高密度実装化、表面実装抵抗器の定格電力アップを背景に、表面実装抵抗器の温度管理位置の見直しが始まっている。その動向について説明する。

また、表面実装抵抗器のような微小部品の温度測定には特別な配慮が必要になる。熱電対はピンフィンとして作用し、被測定物の温度を低下させる。特にT型熱電対では、熱電対の放熱に起因する温度測定誤差が顕著になる。本講演では誤差の定量化手法と軽減方法を紹介する。また、赤外線サーモグラフ(IRT)を用いて微小部品を測定する場合には、IRTの微小面積におけるピーク温度検出能力を確認しておかなければならない。その確認方法についても紹介する。

16:20~16:50  総合討論

16:50~16:55  クロージング

※プログラムは変更することがあります。

定員 100名(先着申込順 定員になり次第締切ます)